関学さんの読書会に行ったよ


13(水)
 完膚なきまでに水曜日だった。ぐでーっとしていた。

14(木)
 理不尽なまでに木曜日だった。ほにゃあ〜っとしていた。

15(金)
 比類なきほどに金曜日だった。ぽえ〜んとしていた。

16(土)
 土曜日だった。ミス研の例会に行った。『法月綸太郎の功績』で読書会をした。この短篇集は本格ミステリ界随一のシコリティを誇る法月綸太郎の短篇集で、収められている五編は出来の差はあるもののそれぞれ異なった趣きがありすばらしい。個人的には「=Yの悲劇」のボールペンのロジックがシコリティ90くらいで、「都市伝説パズル」全般がシコリティ120くらいで、「縊心伝心」のカーペットからの一連の流れがシコリティ150くらいだと思う。おかしな小物・状況から瓢箪から駒的な流れで真相にたどり着く「縊心伝心」がとても好みだ。ぼくが「おもしろいよ」って言ってみんなに読ませる係だったのだけど、感想をきいてみるとみんなそれなりにおもしろいと思ってくれたようで嬉しかった。だけど今回の参加者はぼくが「ろじっく!ろじっく!」と言っても「^^?」となる人ばかりで、いまいち論理を一つ一つ積み重ねていくさまに興奮できる人がいないようだったので断絶を感じた。ぼくはいつでも孤独だ。孤独ぶってんじゃねえよ死ね!!!!!!

17(日)

 にちにちににちた日曜日だった。日曜日だなあと思った。

18(月)

 何故かしら月曜日だった。月曜日だなあと思った。

19(火)
 
 そこはかとなく火曜日だった。火曜日だなあと思った。

20(水)

 なんとなく水曜日だった。水曜日だなあと思った。
 関学のミス研さんが「仮面ライダーW読書会やるよ」って言っていたのでOUミス研の中でも唯一無二を自負する仮面ライダーフリークのぼくとしては参加しないわけにはいかず、集合時間の六時半に余裕を持って着けるよう、5時頃に家を出た。途中で通勤快速に乗ってしまい、乗り換えるべき駅をゆうゆうと電車が通り過ぎるという事態が発生したものの、その次に止まった駅で引き返してなんとか乗り換えることができた。目的の大学がある駅につくと、時間に30分ほどの余裕があったのでブックオフをぶらぶらした。そこは大学の下町として賑わっていて、田舎然としたうちとはびっくりするほどの格差があった。大学から徒歩五分でブックオフ、ボウリング場、大きめのゲームセンターが2つもある。うちにはそのうちの一つだってない。文化的に不毛な場所なのだ。本屋だって小さい。そんなんだから学力が下がるんだ! 日本の将来を憂いながら古本を女を吟味するようないやらしい目で品定めしていると頃合いになったので関学生のBちゃんに連絡した。
「今から迎えに行きます!」というBちゃんに「正門で待ってるよ」と返した。
 ところがいつまで経ってもBちゃんが現れない。BちゃんのほうもTwitterで「正門に立岡さんがいない……」と心配そうなツイートをしている。
「時計のオブジェのとこにいるよ」ぼくはいう。
「うちに時計のオブジェはないんですけど……」
 いったいどういうことだ。何が起こってるんだ。
「もしかして立岡さん、関学と関大間違えてませんか?」
 その一言ですべてが氷解した。
 文化的に少し栄えた下町、広い広いキャンパスに時計のオブジェ、何よりも大阪にある大学、そのすべてがぼくが今いる場所が関大だということを示していた。Bちゃんは関学生のミス研会員であり、関大生ではない。言い訳をさせてもらうと、ぼくの中で関学と関大はほとんど同一のものだった。別の大学であることは知っていたが、実感は伴っていなかった。言葉は認識を規定するとソシュールはいうが、別の言葉として知っていてなおその二つは未分化だった。そして以前に関大が主催する作家さんの講演会に来たことがあったので、今回も関大だと思いこんでいた。悲しいすれ違いだ。時計は六時半を示していた。
 申し訳なさそうなBちゃんのいい子さを沁みながら関学に向かった。関学は最寄り駅から少し離れた場所にあったので、迷ったりしながら辿り着いた時には時刻は八時くらいになっていた。なんとか読書会の場所に行くと、まだ関学のみなさんがカードゲームに興じていた。みなさんは暖かく出迎えてくれたが、読書会は当然終わっていた。そのあとは仮面ライダーW読書会の言い出しっぺさんとちょっと語り合ったり、ニムトをして遊んだりした。解散の運びになって、Bちゃんと関学ミス研の会長さんとミステリや、ミステリじゃないあれやこれやについて話しながら三人でご飯を食べた。有意義な一日だったと思う。よかったなあ。


21(木)

 振り向けば木曜日だった。木曜日だなあと思った。


22(金)

 まさかと思ったら金曜日だった。金曜日だなあと思った。

 
 動画を貼った時点では想像とハイ&創の話をしたかったのだけど、疲れたのでまたこんどにしようと思う。じゃあね。