こたつループ

D

逃げられますか、逃げられません。
こたつのループから逃れられない。やばい。こたつのせいで一日がループし続ける。それでいてしっかりと時間は過ぎているのだから恐ろしい。冬という期間がこたつに吸い込まれてしまいそう。やばい。というのをケアして僕はこたつを出していないわけだが、友達の家に行くとそこにはこたつがあるわけで、どうあがいてもこたつから逃れられない。冬が明けるのを待つしかない。でもこれは考えてみたら大変なことで冬というのはだいたい一年の1/4くらいあるわけだ。気候が変わりつつあるこのジャパンではもっと冬の配分が多いかもしれないし、多くなっていくかもしれない。それだけ多大な時間をこたつに費やすのはどうかと思う。世の中は何事もなさぬには長いが何かをなすには短すぎる。このままじゃ僕は何者にもなれないかもしれない。でも友達と一緒にこたつでぬくぬくしながらおしゃべりとかしたりして、それで楽しいならいいじゃん、とも思う。人並みに生きよう。そんなふうに僕はいつもこたつに入りながら小市民的な願望を抱くわけだが、よく考えてみればこたつに冬を吸い込まれたらごく一般的な生活もままならない。冬のあいだずっとこたつで生活する。要するにそれって廃人だ。それで生きていけるならそれ以上の喜びはないが、どうも世界は怠け者に厳しいらしい。セーフティネットとか、そういう……アレとかが整備されていない。だからアレだね。こたつ党とか作って政権握ればいいんじゃないかな。振り向けばそこに韋駄天こたつ。それこそがシャングリ・ラだろう。どうでもいいがそういうとりとめのない思考がこたつの中で延々とループし続ける/し続けているのであって、ああ、日々は続いてく、あんたと違うの……。