１１月に読んだ本のかんそう - なすびおばけの遊園地

川上未映子さんが阿部和重と結婚して絶望が有頂天に達しているので読んだ本をまとめざるをえない。

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2011年11月の読書メーター
読んだ本の数：39冊
読んだページ数：10270ページ
ナイス数：2ナイス

■大木家のたのしい旅行新婚地獄篇 (幻冬舎文庫)
読了日：11月30日著者：前田　司郎

　倦怠期の夫婦が地獄に旅行に行くゆるいファンタジー。
　夫婦で旅行というと、僕はまっさきに村上春樹の「羊をめぐる冒険」が思いうかぶのですが、これもだいたいそんな感じでしたね。嘘です。
　羊をめぐる冒険は主人公がいろんなものを喪失する話ですが、これは最初から二人は何か喪失してるっぽい感じがする生活を送っていて、旅行して、何か喪失してるっぽい感じが喪失したっぽい感じになる話ですからね。
　登場人物（？）の赤い人や青い人たちもみんなとぼけたキャラですばらしいと思います。
　二人の旅行風景は湯浅政明監督の「カイバ」とか思い出しましたね。「カイバ」と違って欝い展開はないので万人におすすめできるすばらしい作品だと思います。
　前田司郎最高ですわあ。

■くずばこに箒星 (集英社スーパーダッシュ文庫)
読了日：11月30日著者：石原宙
http://book.akahoshitakuya.com/b/4086306425

　去年の集英社スーパーダッシュ文庫大賞受賞作。
　遊園地跡の廃墟に作られた学園、っていう設定がよくて買ったら、あとがきで「……っていう設定からふくらませました(　･´ｰ･｀)」とか書いてあった。
　設定はいい。
　設定は。

■雨の日のアイリス (電撃文庫)
読了日：11月30日著者：松山剛
http://book.akahoshitakuya.com/b/404870530X

　このラノベスト１０ランクイン作。
　ラノベ版ＡＩ。お手伝いロボットのアイリスちゃんが博士と日常を過ごしていたら……。
　一章〜二章序盤まではすばらしい。完璧。
　アイリスちゃんの一人称が「僕」なのも素晴らしい。
　アイリスちゃんのリョナ描写もすばらしい。
　あとは自分の目で確かめてください(　･´ｰ･｀)
　おもしろいですぜ(　･´ｰ･｀)

　あと、スピルバーグ監督のＡＩってはずれはずれ言われてるけど普通に傑作だよな！？

■ジンクス・ショップへようこそ―ブギーポップ・スタッカート (電撃文庫)
読了日：11月30日著者：上遠野浩平
http://book.akahoshitakuya.com/b/4840222932

　なぜかときどき無性に読みたくなるブギーポップシリーズ第十段。
　ジンクスを売る男と世界の敵にまつわるエトセトラ。
　割りと久しぶりの群像劇スタイルだけどあんましおもしろくないｗｗ
　
■ブギーポップ・アンバランスホーリィ&ゴースト (電撃文庫)
読了日：11月30日著者：上遠野浩平

　男の子と女の子が犯罪をやらかしまくったせいでやばい人に追い詰められてるシーンからはじまる。なにそれボニーアンドクライド？って思ってたら、まあそう単純な話でもないわけで……。
　いい青春ものだった。後味も爽やかだし。って言ったらネタバレになんのかな？

■ブギーポップ・パラドックスハートレス・レッド (電撃文庫)
読了日：11月29日著者：上遠野浩平
http://book.akahoshitakuya.com/b/484021736X

　凪ちゃんとその友だちの話。凪ちゃんが「炎の魔女」と呼ばれる所以となった物語。凪ちゃんまじ主人公。そんでブギーポップさん、まじで何もしてねえｗｗｗｗ悪役の死を見届けただけじゃん。あれかよ。浅野いにおの漫画に出てきたあの男の子かよ。
　超おもしろかったよ。

■覇道鋼鉄テッカイオー (集英社スーパーダッシュ文庫は 6-1)
読了日：11月29日著者：八針来夏
http://book.akahoshitakuya.com/b/4086306484

　童貞しか使えない武術を使う主人公がいろいろがんばる話。巨大ロボもの。
　童貞力＝戦闘力なのに、乗るロボに操縦席が二人あって女の子と一緒に乗り込むところとか素敵。いまどき一人乗りロボとかはやらないですよね！　大きな身体の比喩としての巨大ロボットとか。大人になれない自意識こじらせた子どもがわだかまりをぶつけるための装置とか、きょうびガンダムでもやってませんからね！
　ＤＱＮ／リア充主人公のコミュニケーション装置とか（ＳＥＥＤ）、馬鹿に刃物もたせたらどうなんのとか（ＯＯ）、世代を超えて受け継がれる意思（ＡＧＥ）とかね！！
　異論は認める。
　そんなわけでぼくはエウレカとかぼくらのとかの、多人乗り巨大ロボのほうが好きなのでそういう話いっぱいできてほしいなあ。いやあグレンラガンはすばらしかったなあ。グレンラガンはすばらしかったなあ。

■エトランゼのすべて (星海社FICTIONS)
読了日：11月29日著者：森田季節
http://book.akahoshitakuya.com/b/4061388177

　何この主人公僕のぱくりじゃんやめろ。
　大学生活もの。
　おもしろくはないけど描写の端々にえげつねぇリアリティがあるので友だちには薦めたい。でもおもしろくない。そこがジレンマ。
　京大の人は読めばいいと思うよ。

■パンツブレイカー (一迅社文庫)
感動した。
読了日：11月28日著者：神尾丈治
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14882185

　半径一メートル以内のぱんつを光とともに消失させるという過負荷を背負った主人公の青春群像グラフィティー。だいたいめだかボックスの江迎ちゃんエピソードにパンツブレイクを代入した話といっていい。たぶん。なのでおもしろい。すばらしい。

■金の瞳と鉄の剣 (星海社FICTIONS)
読了日：11月28日著者：虚淵玄,高河ゆん
http://book.akahoshitakuya.com/b/4061388029

　ハッピーエンドが描けるようになった虚淵さん最新作。バディもの。短篇集。ファンタジー世界で剣使いの男の子と魔法使いの男の子がいちゃいちゃする話。血と硝煙のにおいはこの巻ではしない。というかぶっちゃけ起伏があんなまない……。日常ものといってもいんじゃね。ふつーにおもしろいよ。無料で読めるよ。無料で読んだよ。

■斬 2 (ジャンプコミックス)
読了日：11月28日著者：杉田尚
http://book.akahoshitakuya.com/b/4088743318

　いや、おもしろいでしょ！？

■もずく、ウォーキング! 2 (ヤングチャンピオンコミックス)
読了日：11月28日著者：施川ユウキ
http://book.akahoshitakuya.com/b/4253149820

　哲学する犬、もずくとその家族や友だちの日常生活が描かれる四コマ漫画。施川ユウキにしては言葉遊びが控えめ。おもしろい。吾輩は猫であるのオマージュ。たぶん。おもしろい。

■Fate／Zero（6）煉獄の炎 (星海社文庫)
読了日：11月28日著者：虚淵玄,武内崇
http://book.akahoshitakuya.com/b/4061389122

　虚淵さん舐めてましたわごめんなさい。
　最高でした。
　なんてたって主人公が外道なのがいいですよね。
　外道主人公といえば天野河リュウセイさんとか、いーちゃんとかが思い浮かびますが、切嗣さんも負けじとおとらず素晴らしかったですね！
　文体もいい。描写もかっこいい。銃の描写とかバイクの描写とかたまんねえですわ！
　にしても僕はやっぱりキャスター陣営が好きですね！　人間オルガンとか最高ですね！　リュウノスケくんが死んだときには泣きましたよ。キャスターさんが死んだときも泣きました。超切ない。

■Fate／Zero（5）闇の胎動 (星海社文庫)
読了日：11月28日著者：虚淵玄,武内崇
http://book.akahoshitakuya.com/b/4061389106

■Fate／Zero（4）散りゆく者たち (星海社文庫)
読了日：11月28日著者：虚淵玄,武内崇
http://book.akahoshitakuya.com/b/4061389084

■Fate／Zero（3）　王たちの狂宴 (星海社文庫)
読了日：11月28日著者：虚淵玄,武内崇
http://book.akahoshitakuya.com/b/4061389068

■Fate／Zero（2）　英霊参集 (星海社文庫)
読了日：11月28日著者：虚淵玄,武内崇
http://book.akahoshitakuya.com/b/4061389041

■Fate／Zero（1）　第四次聖杯戦争秘話 (星海社文庫)
読了日：11月27日著者：虚淵玄,武内崇
http://book.akahoshitakuya.com/b/4061389033

■冷血 (新潮文庫)
読了日：11月24日著者：トルーマンカポーティ
 http://book.akahoshitakuya.com/b/4102095063

　おもしろかった。

■絶望同盟 (一迅社文庫)
最高だった。最高だった。
読了日：11月24日著者：十文字青
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14804388

　一章ごとに主人公が代わる青春群像グラフィティー。また青春群像グラフィティーかよ！
　でもこれは全員絶望しています。絶望してる人らが、なんとなく学校の来賓客用下駄箱にたまるようになって、別にコミュニケーションするでもなく、ただ一緒にいて……みたいな、へんな話です。
　ロリコンの男の子、レズの女の子、すべてがつまらない男の子、なんとなく世界が曖昧な女の子が出てきます。すばらしいです。十文字青さんの第九シリーズは一迅社文庫っていうマイナーなラノベレーベルの片隅で眠らせておくには惜しいシリーズなので、みんな読んだほうがいいですよ。

■一般意志2．0　ルソー、フロイト、グーグル
読了日：11月23日著者：東浩紀
http://book.akahoshitakuya.com/b/4062173980

　五十年後に向けて書いた本らしいです。
　とてもおもしろかったです。

■ギフテッド (電撃文庫)
カイジみたいなのを期待してたのに…。でもまあまあおもしろかった
読了日：11月22日著者：二丸修一
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14758740

　変な会社の入社試験からはじまって、幹部になるために試験を突破する話です。主人公は愛知（ただし日本ではない）で他の人らと一緒に生活しながら、クリア条件を探したり友だちと仲良くなったり情報収集したりとがんばります。
　おもしろかったけどいまいちものたりなかったのは心理戦を期待したからかな。

■全滅なう (一迅社文庫)
滅殺！！ネタバレ：ゆづるこさんはエルドラージ。
読了日：11月22日著者：十文字青
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14757388

　全滅因子を持った女の子に恋しちゃった男の子の話。恋愛に向けて突っ走ります。文体がわりと暴走気味なのがいいですね。とてもおもしろかったです。
　十文字青さんの第九シリーズは一迅社文庫っていうマイナーなラノベレーベルの片隅で眠らせておくには惜しいシリーズなので、みんな読んだほうがいいですよ。

■女の穴（リュウコミックス）
読了日：11月21日著者：ふみふみこ
 http://book.akahoshitakuya.com/b/4199502653

　超おもしろかったです。宇宙人の女の子が先生に子作りをせまったり頭の後ろにお兄ちゃんが現れてクィレル先生状態になった女の子がいろいろしたりします。短篇集で話によって主人公が変わりますが、同じ学校が舞台なので登場人物はリンクしてます。絵がかわいい。かわいいは正義。

■恋する原発
読了日：11月18日著者：高橋源一郎
http://book.akahoshitakuya.com/b/4062173379

　すばらしいです。原発という複雑なものについて語るのはこうゆう複雑なものを複雑なまま書いた小説にしかできないんだ(　･´ｰ･｀)みたいなことをどや顔で言うつもりはありませんが、……言ってますが、ふつうにおもしろいです。

■夜跳ぶジャンクガール (星海社FICTIONS)
白目ぺろぺろ
読了日：11月17日著者：小泉陽一朗,きぬてん
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14657640

　楓の首を締め始めてからもうすぐ一年が経つ。たぶんそんな感じの冒頭だったと思います。自殺のネット中継とか、廃墟だらけの町とかいい感じです。青春です。とにかく青臭いのでゴーイングステディとか好きな人は読んだらいいんじゃないでしょうか？
　舞城文体はどうなんだろうなあって思いますけどね！

■BG、あるいは死せるカイニス (創元推理文庫)
読了日：11月16日著者：石持浅海
 http://book.akahoshitakuya.com/b/4488493017

　産まれてくるのは全員女。ただしすごい女は性転換する。
　そんな設定のミステリです。
　石持さんはひとたび論理パートに入るとその他のすべてのことがおろそかになってしまう癖があるのですが、これはわりとそんなことなかったですね。
　おもしろかったです。

■ぼくと、ぼくらの夏 (文春文庫)
読了日：11月14日著者：樋口有介
http://book.akahoshitakuya.com/b/4167531054

　あ、はい。そうですか。

■パラダイス・クローズド THANATOS (講談社ノベルス)
読了日：11月14日著者：汀こるもの
http://book.akahoshitakuya.com/b/4061825798

　メフィスト賞を受賞したメタミステリ。魚うんちくが「うわーメフィストだー」って感じがする。結末も。おもしろかったです。
　双子の男の子のキャラ造形がいまいちアレでしたが、最後の決めがかっこよかったのでいいと思いました。仮面ライダーＷとか彷彿させました。
　まあわりとミステリを読み慣れた人はご存知の通り、ミステリ小説において探偵と犯人は擬似的な恋愛関係にあるんですよね。それをまんま恋愛にしちゃったのが「うみねこのなく頃に」であり……とか言ってると言いたいこと忘れるぞ……。
　忘れたわ。
　とにかく、おもしろいということです(　･´ｰ･｀)

■ヘヴン
読了日：11月13日著者：川上未映子
 http://book.akahoshitakuya.com/b/4062157721

　いじめ小説。
　そんなことより川上未映子さん結婚……。
　結婚……。
　はは……。
　結婚……。

■宇宙のみなしご
読了日：11月12日著者：森絵都,杉田比呂美
http://book.akahoshitakuya.com/b/406207334X

　屋根に登る話。
　中学んときに読みたかった。この話を読んであんまり楽しめない寂しさは、中学んときにあれほど「こ　れ　だ　！」と思った「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」をおおきくなってから再読したときのあの感覚と同じものでした。

■小説家の作り方 (メディアワークス文庫)
読了日：11月12日著者：野崎まど
http://book.akahoshitakuya.com/b/4048704737

　最高だわ。みんな読め。

■死なない生徒殺人事件―識別組子とさまよえる不死 (メディアワークス文庫)
読了日：11月12日著者：野崎まど
http://book.akahoshitakuya.com/b/4048700561

　かなりおもしろい。それなりに読め。

■舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫)
読了日：11月12日著者：野崎まど
http://book.akahoshitakuya.com/b/4048685813

　まあまあおもしろい。みんなは読まなくていい。

■[映]アムリタ (メディアワークス文庫の 1-1)
読了日：11月12日著者：野崎まど
http://book.akahoshitakuya.com/b/4048682695

　すばらしい。みんな読め。

■角のないケシゴムは嘘を消せない (講談社ノベルス)
いい話だなあ
読了日：11月11日著者：白河三兎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14543250

　「プールの底に眠る」で村上春樹と辻村深月を足してニで割ったような話を書いた白河さんが能力伝奇っぽい話を書いたらどうしてこうなった感あふれる小説になった！
　まあファンタジーは村上さんも普通にやってるのでそれに憧れたのかもしれないけど、こいつぁ少々作りこみが甘いぜ。もっとがんばってください。ファンなので。

■ONE OUTS 全20巻完結セット (ヤングジャンプコミックス)
読了日：11月11日著者：甲斐谷忍
http://book.akahoshitakuya.com/b/B004RCNIEW

　ライアーゲームの人の昔の漫画。
　おもしろい。主人公が外道なのがいい。

■パーフェクトフレンド (メディアワークス文庫の 1-5)
読了日：11月11日著者：野崎まど
http://book.akahoshitakuya.com/b/4048708686

　いい話だなあ。みんな読め。

■町でうわさの天狗の子 7 (フラワーコミックスアルファ)
読了日：11月10日著者：岩本ナオ
http://book.akahoshitakuya.com/b/409133458X

　天狗と人間のハーフの女の子がいろいろ悩む話。おもしろい。

■旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。 (電撃文庫)
読了日：11月09日著者：萬屋直人
http://book.akahoshitakuya.com/b/4840241929

　人がどんどん消失しちゃう病気が蔓延してる世界で旅をする話。名前を喪った男の子と女の子がバイクで世界の果てを目指すよ。いろんな人に出会うよ。おもしろかったです。

■六花の勇者 (集英社スーパーダッシュ文庫)
読了日：11月07日著者：山形石雄
http://book.akahoshitakuya.com/b/4086306336

　人狼ノベル。世界に危機が訪れると勇者が六人選ばれる。だけど集まったのは七人。この中に一人、偽ものがいる！
　まあまあおもしろかった。り、りある人狼のほうがおもしろくね……？っていうのは禁句。

▼2011年11月の読書メーターまとめ詳細
http://book.akahoshitakuya.com/u/64182/matome

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