駄目だ……全然駄目だぜ向伊……ッ!こんなんじゃぬるすぎるッ!(本谷有希子「ぬるい毒」)

どう考えても三島由紀夫賞ノミネート作を発表会までにぜんぶ読めないのでつらい。本谷さんのは一週間くらい前に読んでたから、かろうじてこうしてかんそうが書けるというものだなあ。しかし、怠け者の僕はやりたいことを後回しにする性癖を持っているので、本谷さんの小説の感想も、「ノミネート作ぜんぶ読み終わってからまとめて書こう」と思って後回しにしていた。そしてそんなことをしているうちに小説の内容を忘れてしまった。「ぬるい毒」は文芸誌(新潮)に掲載されて間がなく、単行本も出ていない作品なので、amazonさんにあらすじを教わることもできない。どうしよう……。

えーっとなあ……。どんな話だったかなあ。主人公が女の子で、かっこいい男の子から告白されて、その男の子は実はとんでもなく悪いやつで、もう悪いとか悪くないとかのレベルじゃないくらいにひどくて他人を傷つけるために生きてるようなやつで、主人公も傷つけられるけど、そんな「他人を傷つけてる俺かっけー」な男の子に「ぬるい……ぬるすぎるぜ向伊……ッ!」って内心でぼやいて溜飲をさげる、みたいなそんな感じの話だった気がする。いや違うわ……。たしかもっと向伊さんは強かった。
 小説は超おもしろかったよ。そんなわけで三島由紀夫賞受賞これじゃね? 
 おわり。

新潮 2011年 03月号 [雑誌]

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