格闘技のPRIDEはもうなくなってしまったのです(´・ω・`)(池井戸潤「下町ロケット」)

池井戸潤さんの「下町ロケット」を読んだ。
格闘技のPRIDEはなくなってしまったなあ(´・ω・`)と思った。

初見では「屋上ミサイル」と区別がつきませんでした……。え、なんで屋上ミサイルが山本周五郎賞2011にノミネートされてんの!?あれ2010年だっけ?って思った。

さておき。

「その特許がなければロケットは飛ばない――。
大田区の町工場が取得した最先端特許をめぐる、中小企業vs大企業の熱い戦い!
かつて研究者としてロケット開発に携わっていた佃航平は、打ち上げ失敗の責任を取って研究者の道を辞し、いまは親の跡を継いで従業員200人の小さな会社、佃製作所を経営していた。
下請けいじめ、資金繰り難――。
ご多分に洩れず中小企業の悲哀を味わいつつも、日々奮闘している佃のもとに、ある日一通の訴状が届く。
相手は、容赦無い法廷戦略を駆使し、ライバル企業を叩き潰すことで知られるナカシマ工業だ。
否応なく法廷闘争に巻き込まれる佃製作所は、社会的信用を失い、会社存亡に危機に立たされる。
そんな中、佃製作所が取得した特許技術が、日本を代表する大企業、帝国重工に大きな衝撃を与えていた――。
会社は小さくても技術は負けない――。
モノ作りに情熱を燃やし続ける男たちの矜恃と卑劣な企業戦略の息詰まるガチンコ勝負。
さらに日本を代表する大企業との特許技術(知財)を巡る駆け引きの中で、佃が見出したものは――?
夢と現実。社員と家族。かつてロケットエンジンに夢を馳せた佃の、そして男たちの意地とプライドを賭した戦いがここにある。」
(amazon)

らしいです。

(´・ω・`)でしたね。
これは中高年男性に売れるんでしょうね……。
だってもう内容完全にオヤジ用自己啓発本なんだもん。
プライドの高い主人公が他の企業からいじめられるけど、自分を信じてがんばればなんとかなりました、対立していた企業側からも理解を得られましたって内容です。


「カネの問題じゃない」
 佃は断言した。「これはエンジン・メーカーとしての、夢とプライドの問題だ」

(´・ω・`)

もう対立軸がね……。
理論⇔応用
夢⇔現実
中小企業⇔大企業
はいいですけど……。
熟練技術者たちの手作業⇔ライン生産
まできたらやりすぎでしょ……。あざとすぎるでしょ……。
あと企業買収しようとする人らは悪だ、みたいなね……。
第三章「下町ドリーム」とかね……。
アメリカに下町なぞらえてどうすんだよ……。今のアメリカの技術職っていうと、僕はオープンソースにむらがってすげープログラム作るようなスーパーハカーをイメージするけどなあ。楽しければそれでいい、みたいな人ら。

いろいろと安易なんじゃないかなあ、と思いました。それがウケてるんだろうけど。

まあ自意識の問題かなあ。僕の。僕、グレート生活アドベンチャー(前田司郎)とか大好きだからなあ。どうなんだろうなあ。

で、さっき書いたようにこれは山本周五郎賞にノミネートされてるんですね。んで、これ、主人公の男の子のエゴが正当化される話なんですね。山本周五郎賞のラインナップみると、米澤穂信さんいるんですね。彼、主人公の男の子のエゴがフルボッコにされる話ばっか書いてるんですね。

( ・´ー・`)

そういうことです。

山賞ノミネート作全部読んで受賞作予想したかったけど、これが一つ目や……。もう駄目かもしれへん……。