恋愛も性もたいしたことない。日常です。(窪美澄「ふがいない僕は空を見た」)
窪美澄さんの「ふがいない僕は空を見た」を読んだ。おもしろかった。
これって性欲?でも、それだけじゃないはず。高校一年、斉藤卓巳。ずっと好きだったクラスメートに告白されても、頭の中はコミケで出会った主婦、あんずのことでいっぱい。団地で暮らす同級生、助産院をいとなむお母さん…16歳のやりきれない思いは周りの人たちに波紋を広げ、彼らの生きかたまでも変えていく。第8回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞受賞、嫉妬、感傷、愛着、僕らをゆさぶる衝動をまばゆくさらけだすデビュー作。
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らしいです。
毎回語り手が変わる連作短編です。恋とか性とかを中心に話が回ります。愛はあんましありません。そこにあるのは日常です。ただ、生きることです。
セックスセックスした日常→出産シーン→生命の肯定、みたいな流れにやられた。日々は過ぎます。いろんなものは変わります。ときどき空を見上げるのは、ただぼくたちが生きているからでしょう。
おもしろかった。
- 作者: 窪美澄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/07
- メディア: 単行本
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