恋愛も性もたいしたことない。日常です。(窪美澄「ふがいない僕は空を見た」)

窪美澄さんの「ふがいない僕は空を見た」を読んだ。おもしろかった。

これって性欲?でも、それだけじゃないはず。高校一年、斉藤卓巳。ずっと好きだったクラスメートに告白されても、頭の中はコミケで出会った主婦、あんずのことでいっぱい。団地で暮らす同級生、助産院をいとなむお母さん…16歳のやりきれない思いは周りの人たちに波紋を広げ、彼らの生きかたまでも変えていく。第8回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞受賞、嫉妬、感傷、愛着、僕らをゆさぶる衝動をまばゆくさらけだすデビュー作。
(amazon)

らしいです。


毎回語り手が変わる連作短編です。恋とか性とかを中心に話が回ります。愛はあんましありません。そこにあるのは日常です。ただ、生きることです。

セックスセックスした日常→出産シーン→生命の肯定、みたいな流れにやられた。日々は過ぎます。いろんなものは変わります。ときどき空を見上げるのは、ただぼくたちが生きているからでしょう。
おもしろかった。

ふがいない僕は空を見た

ふがいない僕は空を見た