豆まきの話。

 朝起きた。だらだらした。勉強した。
 ふと視線を下げてみると、棒のように細い二本の足があった。僕の足だった。綿棒のように細かった。とてもまずいと思ったので書を捨てて町に出ることにしたけど、いきなりウォーキングをするのは危険すぎると判断し、徐々に慣らしていこうと思った。なので室内で足踏みした。足踏みしているうちに楽しくなったので踊ったりくねくねしたりした(僕の中ではその二者には明確な区別がある)。
 そんなこんなで風邪を引いた。熱は37、1度とたいしたことはないけど、慢性的なだるさと、なにより右のきんたまが腫れぼったいので、間違いなく風邪だろうと思う。なのでパブロンを飲んだ。先に口の中に水を入れておいてから、粉末を注ぎ、水に粉を浮かせたまま飲み込む、という必殺技で飲んだ。この方法だと苦い味を味わわなくて済むし、残った粉に口の中の水分を持っていかれることもない。もしかしたら横パンチ並の基本技かもしれない。
 そんなこんなで家族で豆まきをした。車座になって、自分のとこに飛んできた豆をとにかく他の人のところに投げ、自分の陣地内の豆をできるだけ少なくする、みたいなルールがいつのまにか出来上がっていてヒートアップした。室内を飛び交う豆、豆、豆、だった。もちろんそのあいだずっと「ふくはああうちふくはああうちふくはあうち」と全員、言い続けていた。
 そんなこんなでパブロンで体調はよくなってるけど(きんたまの腫れぼったい感じも治っているけど)、副作用で超眠いので寝る。フラクタルを観たかったけど無理そうや…。志半ばにして離脱するわいを笑ってくれ……。わいのぶんまで……頼むわ……。ああ……フラクタル……観たかった……な……。