やれやれ

30日/月曜日/浴室

 30日だった。
 最近何かにつけていらいらしている気がする。些細なことが気に障る。左右で違うくつしたを履いている俺を見ていらっときて、図書館の本を三ヶ月ほど返してない現状を見ていらっときて……そんなふうに一日のうちに何度も何度もいらっときている。前月比にすると400パーセントくらいだ。これはまずい。非常にまずい。以前の俺はこんな人間じゃなかったのに。もっとおおらかな人間だったのに。以前はO型だったのに今じゃすっかりA型だ。カルシウムが足りないせいかもしれない。食生活を変えて改善できない問題はどうやたって直せないのだ。そうおばあちゃんも言ってしね。
 煙草の量が増えている。帰省中は禁煙していたのだけど大阪に戻ってきてからリバウンドした。まずい。非常にまずい。でも煙草はおいしいのだ。ショウガナイネ。パパンが煙草やめろやめろって何回も言ってきて、そうだなあとは思いつつ、せやろかとも思ってしまう。パパンは俺の健康を気遣ってくれている。煙草は一本吸うと五分寿命が縮まるという。だけどその寿命っていうのは他の側面でも非常に健康に生きた人の場合であって、俺の場合はなんだか当てはまらないような気がするのだ。というと不健康な生活のせいで、とかそういうのを想像するかもしれないが、俺の抱いている予感は少々違う。端的に言って、規定通りの天寿を全うする前に、俺は事故、つまり何かの拍子のハプニングで死んでしまうような気がするのだ。死因はわからない。自殺か他殺かどうかもはっきりしないが、妙にそう考えると落ち着くのだ。なんというか、とてもすわりがいい。そんなわけで、俺はとてもじゃないが三十まで生きていられる気がしない。まじで。だから煙草を吸っても吸わなくてもどっちでも同じことなのではないかと思うのだ。だけどそんなことをパパンに言うわけにはいかない。「せやろか」と言われるのがオチだからだ。この文章を読んでいるあなたも「せやろか」と思っていると思う。俺も「せやろか」と思っている。そういうことだ。

31日/火曜日/シャッター商店街

 例えば◯を◯う話は世に溢れていて……ってそんな導入はどうでもいいからとにかく越谷オサムさんの「陽だまりの彼女」に「うふふ…クソがッ!」って思ったのでネタバラシをしたいと思う、陽だまりの彼女=……。 


 と思ったけど賢者モードになったのでちょっと修正しました。これ、どうなんだろう……。みんなの意見が聞きたい。このひどさ、薦めたくなる。


陽だまりの彼女 (新潮文庫)

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