嗚呼アンパンマン。

20(金)

 金曜日だった。完全無欠な金曜日だった。学校に行って授業にはいかずたらたらした。Yさん家で「男子高校生の日常」を読んだ。こころに甘い蜜がジュンジュワーと広がるすてきな漫画だった。

21(土)

 土曜日だった。アニメをみていた。Mさんも言ってたことだけど、さいきんジュエルペットサンシャインのみなさんが進路や内定を決め始めていてやばい。焦る。僕もこんなんでだいじょうぶなんだろうか。せめて八木沼くんのように草食系男子→社畜のルートを進みたいものだ。そしてみんなの血や肉や骨となりたい。
 学校で演劇がお披露目されるとのことだったので、行った。宮本プロデュースさんの『変身』。100分ほどの劇だった。ラスト30分くらいで超展開したのがよかった。でも超展開するまでがたいそうつまらなかった。席を立とうかと思うレベルだった。超展開後、つまらないときに描かれた設定が伏線になってたことが明かされるのも、どうも腑に落ちなかった。それもこれも前半がつまらなかったせいだ。とにかくつまらなかった。死ぬほどつまらなかった。何回も死んだかと思った。たぶん10機くらい失った。さよならを言うことは少し死ぬことなのだ。やれやれ。
 といっても設定や構成力はわりとあったと思う。お話はアレだけどお話を魅せる力はじゅうぶんあると思うからこれからに期待したいと思う。しかしパンフレットでアンパンマンdisっていたのが許せないから二度と観に行かないかもしれない。

22(日)

 アンパンマンdisることの陳腐さに気づけないってどうなのって思う。批判っていうのは擁護に対して圧倒的に弱い。なぜならどんな批判にも「お前の理解が足りないせいだ」と言えばたいてい相手をぐぬらせることができるからだ。というか何かを批判する人は、その作品が嫌いだから批判しているってのが多いように思える。愛に根ざしたビンタを打てる人は希少なのだ。だいたいはついかっとなってやってしまう。そんな人は作品をちゃんと鑑賞していない場合が多い。ゆえに批判はとっかかりやすいところを突く内容になる。もっといえば作品の、世間に流通しているイメージや、アウトラインだけを援用してツッコミをいれることが多いような気がする。たとえば僕のともだちはこんなツイートをしていた。


アンパンマンを見た子供達は"強い正義の味方になりたい"ではなく"強くてかっこよくて(?)優しい正義の味方が社会における不安を取っ払ってくれる!"っていう消極的な考えになってしまう。


悪を退治するお話のように見えるけど、何度でも懲りずに悪さするよね、この作品が好きだった人はただ暴力(パンチ)が好きだっただけだよね。

 これはどうしようもなく紋切り型の批判だ。アンパンマンが好きな我々は「やれやれ、またかよ……」とため息をつくような的外れな戯言だ。反駁はたやすい。どのようにも言える。批判は大抵の場合視野が狭いがゆえに生まれる。擁護は豊富なデータベースを生かして作品を観るときの違う切り口をぶつけてやればいいのだ。
 というか有名作品へのツッコミというのはとても難しい。明らかにおかしいところでも野暮になってしまう。たとえば例のパンフレットには「カツ丼マンがフランスかぶれなのはなんでやねんww」みたいなことが書いてあったが、それはカツレツの言葉の起源がフランス語にあるからだ。フランス料理のCôtelette(英語ではCutlet)に語源を持つ料理であることに根ざしたキャラ立てなのである。しかしこれは本質的な答えではないかもしれない。反論を封じ込めるだけで、彼の違和感を払拭することはできないだろう。前提・枠組み・大きな設定に対するツッコミは、そのまま作品の持ち味に対するツッコミでもあるのだから、議論は不毛なものになってしまう。「きみとは感性が合わないんだね」と悲しく頷きを返すほかないのかもしれない。

 そんなわけで『変身』は……。
 いやいやいや……。
 まあいいや( ・´ー・`)


再び21(土)

 時が不可逆だと思ったか? そんなものは幻想だ。
 『変身』をみたあとミス研に行って少し本を読んだら飲み会の時間になったので飲み会に行った。居酒屋。五時スタート。はえぇ。飲み会が終わったあとudkさん家にいってチケットゥライドをしたりまめまめしたりした。チケットトゥライドではいっぱい点をとって1位でした。120くらいだったかな? 忘れた。
 そのあとまめをまめまめするゲームをした。
http://blog.livedoor.jp/tarouimo/archives/50566093.html
 これや。
 とても盛り上がって楽しかった。
 よかったなあ。

そして22(日)

 スイートプリキュアに不覚にも感動してしまった。泣いた。そのあと『ヒロイン失格』を読んで泣いた。『ヒロイン失格』は読んでいるあいだずっと涙が止まらない。やばい。主人公の女の子が王道ヒロイン目指してがんばるけどアホだからどうしようもない、っていう話です。性格悪いっぽく描かれてるけどそれは一人称視点なので違います。根はいい子です。少女漫画って枠組みに自覚的で、さらに主人公の自意識が徹底的に相対化されているのは少女漫画ではわりと珍しいことなので作者の技量が伺えるような気がします。そういうのダメなのはわかっちゃいるけど私は私だしどうしようもねえ感がやばい。空回り感がやばい。とらドラ!とか好きな人に薦めたい感じでもあります。メタ少女漫画のふりした王道少女漫画です。私は別冊マーガレットを購読していますが「ヒロイン失格」「アオハライド」「君に届け」はやばい。関係ないけど咲坂伊緒読むと受験期思い出します……。ずっとストロボエッジ読んでたので……。嗚呼……。

ヒロイン失格 1 (マーガレットコミックス)

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