なんにも覚えてないよ(アイドルマスター24話)

 毎日が楽しくて楽しすぎてなんにも覚えてないよ。覚えてられないよ。いろんなことが起こっていろんなことに巻き込まれて巻き込んで日々暮らしてるせいで記憶がないよ。慢性的な記憶喪失だよ。こんな生活以上の幸せってあるのかな? せやな( ・´ー・`)たぶん僕が楽しいって思うこととか「こんなことしてるのは僕らだけだろうな( ・´ー・`)」って思うことはどんなところでも行われてることなんだろうけど、とてもありがちな大学生活で特別なことなんて何ひとつないんだろうけど、まあみんなが楽しんでると考えるのは楽しいし、もう、みんな楽しくなってほしい。みんなに幸せになってほしい。僕は楽しい友だちも楽しくない友だちもいるけど、そういう人がみんなそれぞれ楽しければいいと思う。人の価値観はそれぞれで、同じものはないんだろうけど、そのみんながそれぞれのレベルで幸せになってほしい。ありふれた奇跡をひとつずつ噛み締めて、生きて死んでほしい。くよくよしたり泣いたりしながらそれでも笑ってほしい。どんな状況でも笑いとばしてほしい。どんな深刻なことだってありふれてることに気づいてほしい。視野狭窄してる人も誰かにアドバイスされるまでもなく笑ってほしい。くだらないバラエティ番組に、ムカつく友だちのムカつく言動に、嫌いな先輩の無茶な要求に笑ってほしい。逆境を鼻で笑おうぜ? どんなやり方でもいいから、どんな過程でもいいから、過程なんてなくてもいいから、無茶苦茶でいいから、文脈なんて無視していいから、空気も読まなくていいから、サメの話しようぜ? なあ、そうでしょ? なあ? 笑え。笑え。笑え……。


 そんなわけでアイドルマスター24話『夢』の話だ。



 24話は春香が自分が今まで積み立ててきたものを思い出す回だ。同時にアイドルマスターというアニメが描いてきたことの総決算でもある。ちはやエピソードと反転している構成もすばらしいし、憑き物が落ちたちはやの口からテーマが言葉にされるのも美しい。ちはやは仲間に受け入れられる形で本来の自分を取り戻したのに対して、春香が一人だけで回復したことについて否定的な意見があるみたいだけど、まったくもってナンセンスだよな! 一人で気づくからこそ、いいんじゃないか!(傍点)
 春香がみんなを集めようとしてもできなかったけど、ちはやが言ったらすぐ集まった、春香m9(^Д^)プギャーとかいうのもアホだろ! 他の人らは仕事で忙しかったし、そのことを汲んで春香はみんなを集めることで邪魔をしてしまうんじゃないかと思っていた。ちゃんと話せない状態が続いたせいで、春香のみんなを集める、という願望が、ライブを口実にした春香のわがままに他ならないんじゃないかと思って自重しちゃったわけですよ。そんな状況を俯瞰した立場からいちはやく気づいたちはやが社長にかけあって、無理矢理みんなを集めて対話の場を設けたんですよ。そしてみんなの思いが同じだったことが確認される。春香がやりたいことは誰の迷惑にもならなかった。むしろみんな望んでいたことだった。それが電波ジャックしたみんなに保証される場面とかすばらしい。


 それとニコニコ大百科にすばらしい感想があったので転載しますね。



5041 : ななしのよっしん :2011/12/17(土) 02:49:44 ID: yrE5Ooi2QM

20話以上に涙腺崩壊した。

特に、千早がPに相談するシーンから涙が止まらなかった。

765プロは芸能界でトップアイドルを目指すための場所なのは事実だけど、それと同時に全員が家族のように大切な時間を共有してきた仲間なんだってのが綺麗に表れてたと思う。
だれもが心では皆を大事に思ってるのは間違いなかったけど、響や雪歩がいったように、目の前のことに集中しすぎてそこが見えなくなってたんだろう。
春香だって個人のステップアップは心から望んでる。でも、個人がステップアップすることと、他のメンバーの様子がわからなくなるほどに疎遠になることはイコールじゃなかった。
美希が、このまま進んだら迷子になるって言ってたように、一人ひとりできることが違って、それゆえに進んでいく速度も違う。安心して進むためには帰ってくる場所だったり、指針となるものが必要だけど、春香以外のみんながそれを失念していた。
14話以降、それぞれの立場がそれこそありえないレベルで変化したんだろう。それはアイドルとして望んでいたことだったけど、急激な変化に流されるあまり、変化しちゃいけない大事なことを見失ってた。
それが、アイマスの根底にある「団結」だった。

それに、そのことを気づかせるのはPじゃだめだったと思ううんだ。大人であるPが言ったから気づくんじゃなくて、それぞれが思い悩んで末に気づかないといけなかった。
アイドル全員が本気で思い悩むためには、全員が通常とは違う精神状態におちなかきゃならなかった。そのためには何か大きなアクシデントが必要で、それにPはうってつけだった。
アイドルたちはあずささんを除いてみんな10代の女の子なんだから精神的な成長も必要だろう。
それを考えれば、Pの行動は100点満点とはいかなくとも、常に、80点以上はだしてたんじゃないか?
ジュピターだって、春香が自分たちの大事にしていた「団結」が誰かに影響を与えたことを知る大きな転換点になった。
「仲良くお手てつないで」ではなく、「全員の原点は同じ場所で、いつでもそこに帰ってきていい。」それが春香の望みなんだってのがこれ以上なくきれいに表れていたから24話に俺はこんなに感動したんだろうな。


 春香がまっすぐやってきたことで、間違いなくみんなは楽しかった。
 765プロという共同体で、仲間と家族のようにすごしてきた日々に手をひかれ、仲間のもとに帰っていくさまはまじ神。アイドル=理想の春香とはなんだったのか、それがキャラメルを渡されるシーンに象徴されてるわけで神。エンディングを丸々みんなのところに行きたくてしかたがない春香が走る描写にしてOPにつなげたのも神。
 アイドルの自分と日常の自分。仕事場というつながりがゆるい脆弱な共同体で一人ひとりが自立していくこと。そして変わるもの、それでも変わらないもの。色んなテーマを内包しながら、一話からずっと走り続けた春香と制作スタッフに最大の拍手を送りたい。ブルーレイ買います。すばらしいアニメでした。

 俺も、アイドルになって、みんなでいっしょに輝くステージで歌おうかな!
 ……比喩ですよ( ・´ー・`)?